長岡市とホノルル市が進めている平和交流記念事業の一環で、青少年交流事業に参加する中学生の研修会を行いました。
第2回目は長岡戦災資料館運営ボランティア・金子登美さんの話を聞き、ホノルル市の青少年と共に行う平和宣言に向けて、それぞれの想いや考えを深めようというものです。
金子さんは小学6年生のときに長岡空襲を経験。空襲でお父さんとお姉さんを亡くしました。平成15年から長岡戦災資料館や市内中学校などで自身の体験と平和の尊さを語る活動しています(体験談は市政だよりへ)。
戦時下の家族の日常や被災状況を語った後、「空襲当時はアメリカが憎かった。けれどもその後いろいろなことを知りました。アメリカでも戦争のために悲しい思いをした人が大勢いたことを。真珠湾もそうです。アメリカが悪いんじゃない。悪いのは戦争なんだということに気がついたんです」。―
穏やかな語り口ながらも鬼気迫る内容に、最初はメモを取ることに一生懸命だった生徒たちも、あっという間に金子さんを見据え真剣な表情に。
生徒からは「これからは自分たちがしっかりと伝えていかなければいけないと思いました」「資料とか教科書というのはほんの一部で、実際に話を聞いたら戦争の生々しい画が頭に浮かびました。こんなつらい経験は2度と繰り返してはいけないと強く思いました」などと感想が語られました。
最後に金子さんは生徒たちに「戦争でひどい目にあった人はまだ心の底に憎しみを持っているかもしれません。悲しみは決して消えることはありません。だけどね、私たち経験者が憎しみで若い人たちのこれからの新しい交流を邪魔しちゃいけない。応援しなくちゃいけないと思っています。私はみなさんが平和サミットでホノルルへ行くことに大賛成です。私たちの知らない新しい交流関係をつくってください」とメッセージを送りました。
この日は真珠湾の追悼式典で流す灯籠にメッセージの書き込みも。長岡・ホノルル両市で募った計300個を式典会場近くの湾内で流す予定です。
今後も8月のサミット宣言に向けて研修が続きます。(M)
このページの担当