最終更新日 2023年3月2日
県内全30市町村で構成する「市町村による原子力安全対策に関する研究会(事務局:長岡市)」は、原子力安全対策などについて理解を深めることを目的とした実務担当者会議を、オンラインで開催しました。
市町村と国、県、事業者の実務担当者など65人がリモートで参加。今回の実務担当者会議では、柏崎刈羽原子力規制事務所担当者から、追加検査の進捗状況と安全規制の見直しについて、内閣府担当者から、原子力災害と雪害等の複合災害時の基本的な考え方等について、新潟県担当者から、原発事故に関する3つの検証と新潟県原子力防災訓練について、説明がありました。
市町村からは、規制事務所に対して、「柏崎刈羽原子力発電所3号機の審査書類の流用は不正と見なさざるを得ず、住民の信頼を大きく損なうもの。東京電力の企業風土や安全文化を含めた適格性の再評価の見通しを教えてほしい。」「原発の運転期間延長に住民は大きな不安を感じている。国は、十分な安全性の審査と、住民に直接丁寧な説明をすべき。」などの質問や意見があり、規制事務所からは、「3号機の審査書類の誤りは小さな問題ではないと認識しており、再発防止に取り組むよう指摘した。事業者自らが適切に対応することが重要であり、まずは東京電力の活動を注視していきたい。」「原発の運転期間延長に係る制度の詳細や新しい制度の確認結果については、今後、県や地元自治体からの要請なども踏まえ、住民説明会等の場で丁寧に説明していきたい。」との回答がありました。
内閣府に対しては、「昨年12月の記録的な大雪では、大規模停電が発生した。停電時の情報伝達について考えがあれば教えてほしい。」「大雪による大規模な車の立ち往生を受け、高速道路と国道の同時通行止めも想定しているが、住民避難や物資供給に多大な影響を及ぼすと考えられ、本当に避難できるのか疑問。」などの質問や意見があり、内閣府からは、「情報伝達は停電時でも利用可能な、多様な手段を活用することが非常に重要。地域の実情に合った支援策を、自治体のニーズを踏まえながら一緒に考えていきたい。」「複合災害時は避難経路が不通となった場合に備え、あらかじめ多様な防護措置を用意しておくことが重要であり、その上で道路啓開に着手しつつ、屋内退避の継続など、状況に応じた対応を行っていく。不測の事態には、実働組織が住民避難の支援を実施する。」との回答がありました。これを受けて、市町村からは、「住民は大雪時の屋内退避や広域避難が本当にできるのか、大きな疑問と不安を感じている。実際にこの地域に来て大雪を体感したうえで、現在の対策が有効かあらためて考えていただき、納得できるような説明を直接住民にしてほしい。」などの要望があり、内閣府からは、「避難の実効性向上のためには住民の理解を得ることが重要。我々も住民の理解を進めるためにできることは何でもやるという考えであり、地域の実情を踏まえた提案をいただきながら方策を考えていきたい。」との回答がありました。
また、県に対しては、「今年度の訓練における顔認証システムのトラブルの原因や再発防止策、今後のICTの導入の方針を教えてほしい。」「大雪時の避難を円滑に実施するために道路などの環境整備にしっかりと取り組んでほしい。」「大雪時の避難について、県民の立場に立って検証すべき。」などの質問や要望があり、県からは、「顔認証システムのトラブルは、インターネット回線を使用したデータ処理に時間を要したことが原因として考えられ、データ量の制限やシステムの一部改修などで対策できると報告を受けている。ICTの導入については、他県の取り組みも踏まえ、どのような方法が適切なのか、市町村と相談しながら検討していきたい。」「大雪時の避難については、国、関係市町村、関係機関と連携して検討を進めており、その検討結果を踏まえながら、適切に避難計画に反映していきたい。」「国に対して道路及びスマートインターチェンジ等の整備や除雪体制の充実を要望している。」との回答がありました。
研究会では、今後も市民の安全・安心を守るために、関係機関と連携し、原子力安全対策にしっかりと取り組んでまいります。
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出席者名簿 | (PDF 182KB) |
説明資料 柏崎刈羽原子力規制事務所資料1 | (PDF 867KB) |
説明資料 柏崎刈羽原子力規制事務所資料2 | (PDF 416KB) |
説明資料 内閣府(原子力防災担当)資料 | (PDF 3,629KB) |
説明資料 新潟県防災局原子力安全対策課資料1 | (PDF 1,638KB) |
説明資料 新潟県防災局原子力安全対策課資料2 | (PDF 2,589KB) |
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