最終更新日 2024年10月24日
認知症は早期発見、早期治療が重要です。
「認知症かも…?」と感じたら、一般社団法人日本認知症予防協会が作成した「自分でできる!かんたん認知症チェック」を御活用ください。
一般社団法人日本認知症予防協会(外部リンク)
※テスト結果は、あくまでも目安です。ご心配の方は、かかりつけ医や認知症疾患医療センター、地域包括支援センター等にご相談ください。
■「認知症かもしれないけど、どうしたらいいかわからない」
・・・地域包括支援センター
■「認知症の人と家族の会が同じ悩みをもつ人同士で話し合いたい」
・・・認知症の人と家族の会 新潟県支部(県HP)
■「気軽に認知症に関する相談をしたい」「リフレッシュしたい」
・・・オレンジカフェ
■「認知症の専門医や相談員に、医療相談・鑑別診断及び治療等をお願いしたい」
・・・認知症疾患医療センター
脳は、人間の活動をコントロールしている司令塔です。認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態です。
年をとるほど、認知症になりやすくなります。厚生労働省によると、65歳以上70歳未満の有病率は1.5%ですが、85歳以上90歳未満では44%に達し、更に90歳以上では64%に達するとされています。今後高齢化がさらに進行することが予想される日本では、認知症がますます重要な問題になると考えられます。
また、若くても認知症を発症することがあり、65歳未満で発症した認知症を若年性認知症といいます。厚生労働省によれば、若年性認知症の方の数は3万人以上と推計されています。
認知症の種類は一つではなく、いくつかに分類されます。
アルツハイマー型認知症
脳にタンパク質が蓄積し、神経細胞のネットワークが壊れると発症します。比較的早い段階から、記憶障害、見当識障害のほか、不安・うつ・妄想が出やすくなります。認知症の中でいちばん多く、男性より女性に多くみられ、脳の一部が萎縮していきます。
脳血管性認知症
脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れて、意欲が低下したり複雑な作業ができなくなったりします。認知症の中では、アルツハイマー型認知症の次に多く、比較的男性に多くみられ、全体的な記憶障害ではなく、一部の記憶は保たれている「まだら認知症」が特徴です。
レビー小体型認知症
運動症状や幻視を伴い、症状の変動が大きいのが特徴です。
前頭側頭型認知症
脳の司令塔役の前頭前野を中心に障害されるため、がまんや思いやりなどの社会性を失い、「わが道を行く」行動をとる特徴があります。
その他
クロイツフェルト・ヤコブ病、AIDSなどの感染症やアルコール中毒も認知症の原因となることがあります。
認知症の症状には、中核症状と行動・心理症状(BPSD)があります。認知症の症状は、認知症の種類・進行具合等によって、個人差があります。
中核症状
脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状のことで、これを中核症状と呼びます。
行動・心理症状(BPSD)
本人の性格、環境、人間関係などの要因がからみ合って、精神症状や日常生活における行動上の問題が起きてくることがあり、これを行動・心理症状と呼びます。
正常なもの忘れと認知症によるもの忘れの違いの区別はなかなか難しいものです。しかし、認知症に気づくためには、次のような目安が役立ちます。
正常なもの忘れ | 認知症によるもの忘れ | |
---|---|---|
もの忘れの範囲 | 出来事の一部を忘れる (夕食に何を食べたか忘れる) |
出来事の全てを忘れる (夕食を食べたこと自体を忘れる) |
自覚 | もの忘れに気づき、思い出そうとする | もの忘れに気づかない |
学習能力 | 新しいことを覚えることができる | 新しいことを覚えられない |
日常生活 | あまり支障がない | 支障をきたす |
幻想・妄想 | ない | 起こることがある |
人格 | 変化はしない | 変化する |
認知症ほどではないものの、正常なもの忘れよりも記憶などの能力が低下している「軽度認知障害(MCI)」が最近注目されています。この段階から治療をすることで、進行を遅らせるなどの効果が期待されており、もの忘れの程度がほかの同年齢の人に比べてやや強いと感じたら、早めに専門医を受診することが、認知症の早期発見・早期治療につながることになります。
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