最終更新日 2020年4月10日
「新型コロナウイルス」は、各国の懸命な対応をもってしても、感染が拡大し危機的な状況が続いています。日本も例外ではなく、大都市圏を中心に感染者が増加し、去る4月7日、7都府県に「緊急事態宣言」も発令されました。
これらの地域から地方への感染拡大も懸念されており、収束時期の見通しは政府等から示されておりません。また、ワクチンや治療薬の開発もすぐには見通せない状況です。
こうした状況の中で、国内外から2日間で100万人を超える集客のある花火大会が、8月2日・3日の開催時で感染拡大を起こさないという根拠を、現時点で得ることができませんので、長岡花火財団をはじめ、議会の皆様、関係機関の皆様のご意見も踏まえ、長岡まつり大花火大会の中止を決定しました。
理由としては、
①安倍総理は3月28日の記者会見で、「いつ終息するのか、答えられる世界の首脳は一人もいない。私も答えることができない。」と発言しています。
②日本における感染対策は、クラスター対策と自粛=感染拡大の速度を抑え、感染のピークを低くして先送りするピークカット戦略です。これは都市封鎖(ロックダウン)のような強い規制を行わず、一定の感染と経済活動を共存させながらゆるやかに集団免疫を達成しようというもので、終息まで時間がかかります。
③専門家からは、中国での第1波の収束が2か月を要したことを踏まえ、アメリカでは収束に3か月を要するという予測や、第1波が収束しても対策を緩めると第2波が懸念される、という提言もあります。また、国が国民に対して長期戦への対応協力を要請すべきこと、ワクチンの開発に1年は要するとの見込みにも言及されています。
以上のような観点と現状を踏まえ、8月での終息を見込むことは不可能、と判断しました。
長岡花火には「慰霊、復興、平和への祈り」という不変の想いが込められています。だからこそ、長岡市民、長岡花火を見に来てくださる皆様、さらには、そこからつながる国内外の皆様の生命、健康、安心な生活を第一に考えなければなりません。長岡花火によって新型コロナウイルスの感染拡大を引き起こすことは、絶対にあってはならないと考えています。
長岡花火を楽しみにし、心の支えにもしている多くの市民、全国の長岡花火ファン、さらには、花火大会を支えてくださる花火スポンサーの皆様の想いを考えると、まさに苦渋の判断、断腸の思いであります。
一方で、このような苦難の時にこそ、犠牲者を慰霊し、新型ウイルスからの復活を祈願する花火を打ち上げたい、と思う市民の皆様もおられるでしょう。
長岡花火財団には、慰霊、復興、平和、そして感染収束を祈願する単発の花火を打ち上げる方向で、検討していただきたいと考えています。
また、花火大会を中止することにより、飲食・宿泊・交通など経済的に大きな影響を受ける皆様がいらっしゃいます。こうした方々に対しては、政府の経済対策や市独自の経済対策を丁寧に周知し、しっかり届けてまいります。
最後に申し上げたいことは、長岡まつりは、花火大会の他にも、平和祭や昼行事、灯籠流しなどの行事もあります。花火大会は中止といたしますが、その他の行事については、例年とは異なる形であっても、何らかの形で実施することを各主催団体と協議、検討してまいります。
令和2年4月10日
長岡市長 磯田 達伸
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