昭和20年8月1日の長岡空襲の悲劇を次世代に伝えるため、長岡戦災資料館で「長岡空襲70年企画 体験画展~画家と市民の絵を中心に~」が始まりました。
オープニングセレモニーでは、長岡空襲当時、国民学校の6年生だった日本美術家連盟会員の木村保夫さんが、自身の作品の解説とともに当時の辛い体験を語ったビデオを上映しました。
「殿町の母の実家はみんな平潟神社の忠魂碑の下で焼死体となって発見されました。翌朝、火葬しようと、新組のおばあさんは炎天下の中、薪などを積んだリヤカーを2時間以上も引いて来ましたが、到着したときにはそこで他のたくさんの遺体と一緒に火葬が始まっていました。『こんなことなら腕一本でも取っておけば良かった』と自分が火葬できなかったことを嘆きました。普通の状態では出てくる言葉ではありません」。
体験画の展示は、5月10日(日)までは「爆撃の一夜」がテーマ。その後、作品を入れ替え、5月23日(土)~6月14日(日)、「空襲後の長岡」を描いた30点を展示します。
焼夷弾の中を逃げる様子を描いた作品、燃え上がる市街地を離れた場所から見た作品など、一枚一枚から必死さや悲しさが伝わってきます。
それぞれの作品は空襲体験者が、「二度と同じ悲劇を繰り返してはいけない。自分たちが伝えなければ」と、思い出すのも辛い気持ちをこらえて描いたものです。平和を未来に伝えるため、たくさんの人からご覧になってほしいと思います。(T)
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