最終更新日 2021年8月26日
市町村による原子力安全対策に関する研究会(事務局:長岡市)は、原子力安全対策などについて研究し、理解を深めることを目的とした「実務担当者研修会」を、オンラインで開催しました。
研修会には、市町村と国、県の実務担当者など約50人がリモートで参加。
はじめに内閣府の志村地域原子力防災推進官から「原子力防災基礎講座」と題し、原子力防災に係る法令や防護措置、原子力防災訓練などの国の取り組みなどに関して講義いただきました。
市町村からは、内閣府に対して、「原子力災害と雪害の複合災害時の対応について、以前示された対応案から検討内容は進展したか」「現状の発電所の安全対策に基づく計画的な放射性物質の放出を想定とした、原子力災害の進展と防護措置の流れについて、タイムラインを提示できないか」などの質問、意見があり、内閣府からは、「複合災害時の両立した対応に関して、冬季の実態に明るい基礎自治体と現在検討中であり、案が固まった段階でお示しし、議論したい」「タイムラインなどの予測を作って対策をしてしまうと、それに安心してしまい対応ができなくなることが福島事故の反省であり、プラントの情報やモニタリング結果を踏まえて迅速に対応することになる」との回答がありました。
次に、原子力規制庁の村上原子力規制企画課長補佐(総括担当)と柏崎刈羽原子力規制事務所の渡邉所長より、柏崎刈羽原子力発電所7号機の新規制基準適合性審査について、講義いただきました。
市町村からは、原子力規制庁及び規制事務所に対して、「不適切事案に係る追加検査について、東京電力の報告前に行う検査の状況と、報告後の検査及びその後の改善状況等を確認する検査の今後のスケジュールを教えてほしい」「集中立地している発電所のリスクについて、複数の原子炉を設置する場合の規制の有無や複数号炉特有の審査基準等はあるか」などの質問、意見があり、原子力規制庁及び規制事務所からは、「現状の把握、技術関係の確認を目的として、報告前の検査や聞き取りを実施中であり、今後、報告書の中身を確認した上で、具体的な検査内容や検査計画について、原子力規制委員会の決定をもって実施する形となるため、現時点で具体的なスケジュールは決まってない」「福島事故の反省を踏まえて、安全上重要な機器を複数の原子炉で共有してはいけないという基準があり、また、重大シビアアクシデント対策の評価の中で、同時発災についても考慮し、審査の中で確認している」との回答がありました。
続いて、新潟県の飯吉原子力安全広報監より、新潟県の原子力安全対策の取り組みとして、原発事故に関する3つの検証や新潟県原子力防災訓練について、説明がありました。
市町村からは、県に対して、「県の3つの検証結果や避難計画の内容を、特に避難の受入先市町村の住民に対して、分かりやすく説明し、普及啓発に取り組んでほしい」「立地自治体以外の自治体の意向を取りまとめる具体的な方法を、できるだけ早期に示すよう要望したが、意向の取りまとめ方法や今後のスケジュールなどの見通しを教えてほしい」などを質問、意見し、県からは、「3つの検証結果について、県内複数箇所で説明会を行うなど工夫して実施したい。また、県民向けの県政出前講座として、原子力防災に関する講座を設けており、受入先市町村も含め、住民の皆様からのご要望に応じて開催したい」「立地自治体以外の意向の取りまとめについて、市町村と協力して行って参りたい。再稼働の議論は、三つの検証の結果が示された後に始めたいと考えており、県としては現時点ではスケジュールの見通しはない」との回答がありました。
最後に、市町村研究会において、市町村研究会の活動目的等を再確認し、共有しました。
今後も市民の安全と安心を守るため、研修会を適宜開催するなど、原子力安全対策にしっかりと取り組んでまいります。
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