最終更新日 2021年12月27日
撮影時期:昭和20年(1945)8月3日
所蔵:長岡戦災資料館 カラー化:渡邉英徳
白線を左右に動かすと白黒とカラーを見比べることができます
焦土の街 鮮明に伝え
1945年8月1日の長岡空襲や、その前後に撮影された白黒写真をカラー化する長岡市などの取り組みで、2年目となることしの成果がまとまった。7月に発表した1枚に加え、焼け跡での暮らしや女学生の勤労奉仕の様子などを収めた5枚を新たに彩色。当時の生活が身近に感じられる。
長岡空襲では、米軍の爆撃によって市街地の約8割が焼失。前月の模擬原爆の被害と合わせ、1488人が犠牲となった。
カラー化は、空襲と復興の記憶を伝承する助けにしようと、市が東大大学院の渡邉英徳教授(47)=情報デザイン=、東大2年生の庭田杏珠さん(19)、新潟日報社と共同で実施した。人工知能(AI)などの技術で彩色し、当時を知る人に見てもらって修正、実際に近い色合いを目指した。
写真は41~45年に撮影され、当時の生活の様子を表すものを中心に選んだ。空襲直後の8月3日の市街地の写真は、赤茶色や灰色のがれきの山と青空が対照的だ。中央の女性の着物は淡い小豆色。頭に手ぬぐい、足にゲートルを巻き、水をくんでいる。バケツを支える男性はカーキ色の国民服だ。焦土の街での営みをリアルに伝える。
市は12月下旬にカラー化した写真をウェブサイトに載せ、1月には長岡戦災資料館で展示する予定だ。
(新潟日報 令和3年12月17日朝刊1面より)
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