最終更新日 2018年4月1日
新たな街づくりの方向性として、長岡版イノベーションを打ち出した長岡市。
歴史と文化を尊びながら、その上に新たな価値を創造していく長岡の取り組みについて、磯田達伸市長からのメッセージを掲載します。
市政だより6月号特集「長岡からの挑戦~イノベーション~」
今、私たちが生きている時代は、政治、経済、暮らし、すべてにおいて大きな変化の波にさらされているように思います。この波は今後もさらに拡大していくと考えられますので、市の政策もこれまでにはない視点とアプローチが必要だと考えています。
それを政策化したもののひとつに「長岡版イノベーション」があります。長岡市にある3つの大学と1つの高等専門学校が持つ優秀な研究者や研究成果、そして人的ネットワークと、地元企業の活動を結びつけていこうというものです。その結果、大きな経済効果を生み出し、産業や経済面から長岡市の足腰を強化していきます。産学官の取り組みは珍しくありませんが、旧来の問題解決的な協働ではなく、AIやIoT、スーパーコンピューターなど、世界が注目する新しい価値を先取りして創造するという先進的なコラボレーションを目指しています。取り組むテーマについては、これまでのように、大きなくくりのものではなく、個別の技術や、企業の活動に絞って、具体性を高めながらイノベーションを巻き起こしたいと考えています。
ひとつの技術開発や先端的な研究が成果を上げれば、そこに関連する業種や人材が集まります。
つまり、「長岡版イノベーション」とは、技術革新でありながら、人を集めるイノベーションとも言えるわけです。今までなかなかアプローチできなかったことに、これからの長岡市は積極的に取り組み、その成果をもって発展を導いていきたいと思います。そして、そこに集う人々の働き方のイノベーションにも取り組んでいきます。より多くの人々が長岡市に集まり、時代に合った働き方で、経済効果を生み出していけば、新しい形で長岡版の地方創生が実現できると信じています。
日本では今、地方の過疎化、人口流出が大きな問題となっています。長岡市も人口の減少という大きな課題を抱えています。それは、すぐに解決できる問題ではなく、地道に粘り強く取り組まなければなりません。しかし、将来を悲観してばかりいては、建設的なアイデアも生まれてきません。目指すべき未来を見い出して挑戦していくことが大切です。そこには市民の皆さまの意見やアイデアが欠かせません。
4月には、小国地域八王子集落に「たまり場八っちゃん」という空き家を改装した長岡市交流・移住促進施設を開設しました。そこは、集落に暮らす高齢者が交流し、田舎暮らし体験を通じた若者たちとのふれあいの場です。このように、中山間地域の集落を支える仕組みづくりにも取り組んでいきます。長岡市はこれからもどんどん意見を聞いて、様々な課題を新しい方法で解決していきます。
そして、来年は長岡開府400年という記念の年になります。歴史的な過去を振り返るだけでなく、400年という節目だからこそ、未来に向けて新しい何かをという発想が必要だと感じています。これからの時代を生きる子どもたちのために、今何をすべきかを考えていきたいです。
長岡市には、米百俵という逸話と思想があります。それを過去のものとして扱うことなく、「新しい米百俵」として、子どもたちの未来づくりに役立てていきたいと考えています。
「長岡版イノベーション」というのは、産業だけにとどまらず、経済や暮らし、意識のイノベーションにも通じるものだと確信しています。大きく変化する時代をチャンスと捉え、歴史や文化の上に新しい価値を生み出していくこと。そんなまちづくりこそが、市民の皆さまのためになると思います。
そして、「日本一のふるさと長岡」を実現するために、産業、経済、自然、環境、医療、福祉、教育などをさらに進化させていき、「子どもを育てるなら、長岡市がいい」と誰もが思えるまちにしていくことが私の使命だと感じています。
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