最終更新日 2020年4月1日
農業・農村は、私たちが生きていくのに必要なお米や野菜などの農産物の生産だけではなく、私たちの暮らしと切り離せない様々な機能を担っています。これら「農業・農村の多面的機能」について考えてみましょう。
- 多面的機能の主な例 -
食料を生産し供給する機能
農産物の生産を通じて、私たちの食料を供給しています。
長岡市の農業は、地形や自然条件を活かし、水稲を基幹として発展してきました。今では、良食味米の代名詞であるコシヒカリ等を始めとする優良な農作物(食料)の生産基地として、県内でも有数の穀倉地帯を形成しています。
一方、今の私たちの豊な食生活の背景には、消費者の多様なニーズに対応し得る安定的な輸入と、計画的な国内生産・備蓄量の確保等が前提となっています。
世界では今日・明日食べるものに困っている人たちがたくさんいる中で、私たちが将来にわたって安定した食生活を続けていくためには、大地の恵みを大切にし、自分たちの食料は地域で確保していくという意識も大切なことになってきます。
洪水を防止する機能
水田は、あぜにより雨水を一時的に蓄えることができ、田んぼの一つ一つが小さなダムのような役割を果たしています。これを全国の水田面積で計算すると約50億トンの水が貯留されることになり、黒部ダムの約25個分に相当するといわれています。こうして、雨水を一時的に貯えることで急激な流出を緩和でき、下流での洪水や周辺での浸水を防止できるという機能があります。
水資源を養いはぐくむ機能
水田や森林はたくさんの水を貯え、長い時間をかけて地下に浸透し、地下水や川の流れを豊かにしています。また、地下に浸透した水は長い時間をかけて河川に流れ込むことから、降雨の少ない時期でも河川をいっきに干してしまうことなく、水量を安定させるという働きもしています。
土地の崩壊や浸食を防止する機能
農地の耕作を通じて、土壌の流出や浸食、土砂の崩壊等を防止しています。
自然環境を保全する機能
農地の土壌中の微生物が有機性廃棄物の分解を促進し、資源として活用しています。また、農地や森林は、植物の光合成により空気の浄化を行ったり、さまざまな生物の住処になったりしているなど、自然環境の保全に大きく貢献しています。
保健休養・やすらぎの機能
きれいな水や澄んだ空気、田園の良好な景観、固有の伝統・文化など、都市では見つけにくい潤いや安らぎの空間が農村にはたくさん残っています。
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