○長岡市文化財保護条例
平成17年3月22日
条例第97号
長岡市文化財保護条例(昭和35年長岡市条例第6号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市指定有形文化財(第4条―第15条)
第3章 市指定無形文化財(第16条―第20条)
第4章 市指定民俗文化財(第21条―第23条)
第5章 市指定史跡・名勝・天然記念物(第24条―第27条)
第6章 補則(第28条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条の規定に基づき、法及び新潟県文化財保護条例(昭和48年新潟県条例第33号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で本市の区域内に存するものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の郷土に対する認識を深め、文化の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で、本市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料をいう。
(2) 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、本市にとって歴史上又は芸術上価値の高いものをいう。
(3) 民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、市民の生活の推移の理解のため欠くことのできないものをいう。
(4) 史跡・名勝・天然記念物 貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で本市にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で本市にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で本市にとって学術上価値の高いものをいう。
(教育委員会等の責務)
第3条 長岡市教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な市民の財産であることを認識し、これを公共のために大切に保存するとともに、これを公開する等その文化的活用に努めるものとする。
3 市民は、この条例の目的を達成するために本市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
第2章 市指定有形文化財
(指定)
第4条 委員会は、本市の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたもの及び県条例第5条第1項の規定により新潟県指定有形文化財に指定されたものを除く。)のうち本市にとって重要なものを長岡市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。
3 委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、長岡市附属機関設置条例(昭和32年長岡市条例第7号)に定める長岡市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)にあらかじめ諮問をし、その意見を聴かなければならない。
4 委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知するものとする。
6 委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該市指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第5条 委員会は、市指定有形文化財が市指定有形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由がある場合は、その指定を解除することができる。
3 市指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定又は県条例第5条第1項の規定による新潟県指定有形文化財の指定があったときは、当該市指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。
4 委員会は、前項の規定により市指定有形文化財の指定が解除されたときは、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第6条 市指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者は、この条例並びにこれに基づく委員会の規則及び指示に従って、市指定有形文化財を管理しなければならない。
2 市指定有形文化財の所有者は、特別の事由があるときは、専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責任を負う者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 市指定有形文化財の所有者は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも、同様とする。
4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。
(所有者の変更等)
第7条 市指定有形文化財の所有者又は権原に基づく占有者に変更があったときは、新たに所有者又は権原に基づく占有者になった者は、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 市指定有形文化財の所有者、権原に基づく占有者又は管理責任者(以下この章において「所有者等」という。)は、その氏名若しくは名称又は住所若しくは所在地を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第8条 市指定有形文化財の所有者等は、当該市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理)
第9条 市指定有形文化財の管理又は修理は、その所有者等が行うものとする。ただし、市指定有形文化財の管理又は修理に多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市長は、その経費の一部に充てるため、当該所有者等に対し、予算の範囲内で、補助金を交付することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第10条 委員会は、市指定有形文化財の管理が適当でないため当該市指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、当該市指定有形文化財の所有者等に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他当該市指定有形文化財の管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 委員会は、市指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、当該市指定有形文化財の所有者等に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用の全部又は一部は、予算の範囲内で、本市の負担とすることができる。
(現状変更等の制限)
第11条 所有者等は、市指定有形文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめその旨を委員会に届け出なければならない。ただし、現状の変更にあってはそれが維持の措置又は非常災害のための必要な応急措置である場合、保存に影響を及ぼす行為にあってはその影響が軽微である場合は、この限りでない。
(公開)
第13条 市指定有形文化財の公開は、その所有者等が行うものとする。
2 委員会は、市指定有形文化財の所有者等に対し、当該市指定有形文化財の公開を行うため、6月以内の期間を限って、当該市指定有形文化財の出品を求めることができる。
3 前項の出品に要する経費は、本市の負担とする。
(報告)
第14条 委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者等に対し、当該市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況について報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利及び義務の承継)
第15条 市指定有形文化財の所有者が変更した場合は、新たに所有者となった者(以下「新所有者」という。)は、委員会がこの条例に基づき当該市指定有形文化財に関し行った勧告その他の処分に係る所有者であった者(以下「旧所有者」という。)の権利及び義務を承継する。
第3章 市指定無形文化財
(指定)
第16条 委員会は、無形文化財(法第71条第1項の規定により重要無形文化財に指定されたもの及び県条例第20条第1項の規定により新潟県指定無形文化財に指定されたものを除く。)のうち本市にとって重要なものを長岡市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
6 委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に認定書を交付しなければならない。
7 委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第17条 委員会は、市指定無形文化財が市指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 委員会は、市指定無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由がある場合は、その認定を解除することができる。
4 市指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財の指定又は県条例第20条第1項の規定による新潟県指定無形文化財の指定があったときは、当該市指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
5 委員会は、前項の規定により市指定無形文化財の指定が解除されたときは、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に通知しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第18条 市指定無形文化財の保持者は、その氏名又は住所を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 市指定無形文化財の保持団体の代表者は、当該保持団体の名称、事務所の所在地又は代表者を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(保存)
第19条 委員会は、市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、当該市指定無形文化財について自ら記録を作成し、伝承者を養成する等、当該市指定無形文化財の保存のため適当な措置をとることができる。
2 市長は、市指定無形文化財の保持者及び保持団体に対して、当該市指定無形文化財の保存に要する経費の全部又は一部を、予算の範囲内で、補助することができる。
(公開)
第20条 委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対して当該市指定無形文化財の公開を求めることができる。
2 前項の求めに応じて市指定無形文化財の公開をした場合に要する経費は、本市の負担とする。
3 委員会は、市指定無形文化財の記録の所有者に対して、その公開を求めることができる。
4 市長は、前項の求めに応じて市指定無形文化財の記録の公開をした場合に要する経費の全部又は一部を、予算の範囲内で、補助することができる。
第4章 市指定民俗文化財
(指定)
第21条 委員会は、本市の区域内に存する有形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたもの及び県条例第26条第1項の規定により新潟県指定有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち本市にとって重要なものを長岡市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたもの及び県条例第26条第1項の規定により新潟県指定無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち本市にとって重要なものを長岡市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
(解除)
第22条 委員会は、市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由がある場合は、その指定を解除することができる。
2 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財の指定又は県条例第26条第1項の規定による新潟県指定有形民俗文化財若しくは新潟県指定無形民俗文化財の指定があったときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
第5章 市指定史跡・名勝・天然記念物
(指定)
第24条 委員会は、史跡・名勝・天然記念物(法第109条第1項の規定により史跡、名勝又は天然記念物に指定されたもの及び県条例第31条第1項の規定により新潟県指定史跡、新潟県指定名勝又は新潟県指定天然記念物に指定されたものを除く。)のうち本市にとって重要なものを長岡市指定史跡、長岡市指定名勝又は長岡市指定天然記念物(以下「市指定史跡・名勝・天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第25条 委員会は、市指定史跡・名勝・天然記念物が市指定史跡・名勝・天然記念物としての価値を失った場合その他特殊の事由がある場合は、その指定を解除することができる。
2 市指定史跡・名勝・天然記念物について法第109条第1項の規定による史跡、名勝又は天然記念物の指定があったとき、又は県条例第31条第1項の規定による新潟県指定史跡、新潟県指定名勝又は新潟県指定天然記念物の指定があったときは、当該市指定史跡・名勝・天然記念物の指定は、解除されたものとする。
(土地の所在等の異動の届出)
第26条 市指定史跡・名勝・天然記念物の指定地域内の土地の所有者等は、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
第6章 補則
(委任)
第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、委員会が規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
(経過措置)
2 施行日前において改正前の長岡市文化財保護条例の規定によりなされた手続、処分その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた行為とみなす。
3 施行日前に、中之島町文化財保護条例(昭和60年中之島村条例第10号)、越路町文化財保護条例(昭和45年越路町条例第9号)、三島町文化財保護条例(昭和59年三島町条例第11号)、山古志村文化財保護条例(昭和48年山古志村条例第1号)及び小国町文化財保護条例(昭和54年小国町条例第9号)の規定によりなされた手続、処分その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた行為とみなす。
(平成18年1月1日の編入に伴う経過措置)
4 和島村、寺泊町、栃尾市及び与板町の編入の日前に、和島村文化財保護条例(昭和59年和島村条例第28号)、寺泊町文化財保護条例(昭和58年寺泊町条例第5号)、栃尾市文化財保護条例(昭和56年栃尾市条例第16号)又は与板町文化財保護条例(昭和62年与板町条例第13号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた行為とみなす。
(平成22年3月31日の編入に伴う経過措置)
5 川口町の編入の日前に、川口町文化財保護条例(昭和49年川口町条例第2号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた行為とみなす。
附則(平成17年12月28日条例第254号)
この条例は、平成18年1月1日から施行する。
附則(平成22年3月30日条例第55号)
この条例は、平成22年3月31日から施行する。